【 3.11 】
あの日以来。
これまでの生活を土台から揺さぶられ、
日本のみならず世界中の人々が「 これから 」に向けて時代ごとシフトを始めざるを得なくなった。
そんな日から3年以上が経った。
本当は三月のあの日に書いていたこのブログ、今、アップします。
今回は独白という形で、長々とあの頃を振り返ってみたいと思う。
あまり面白くもない長文ではあるけれど、渾身で書きました。
お時間がある方、ご縁を頂けた方にはお読み頂けると幸いです。
「 あの日 」は休暇で地元にいたこともあり、コタツでみかんを食べながら国会中継をグダグダと見ていた。
確か、選挙絡み?の裏金をもらったとかもらってないとか。
下らねー。
「 いつもの日本 」の「 いつもの日常 」だったと記憶している。
その茶番劇を見ていた時に突然の地震速報と放送の切り替え。
聞いたことの無い、戦慄するような音がTVから鳴り響く。
9.11の時もそうだったが、( 普段ほとんどTVを見ないにも関わらず、)歴史上で大きな事柄が起こっている「 その瞬間 」を何故か見てしまう。
まるで映画の様だった。
正直なところ、映画であって欲しかった。
沖合から迫ってくる津波
恐らくそのことを知らないで、もしくは何らかの理由で海の方面に向かう車
画面上で動くのが見える小さな人の姿
そしてそれを傍観者としてTVで見ていることしかできない自分
とても奇妙な感覚だった。
それが現実であるにも関わらず、あまりにも実感が湧かなかった。
一緒に見ていたじいちゃんばあちゃんと共に、
「 早く逃げなきゃ! 」「 なんでそんな方に( 海側に車で )走るの! 」「 もう津波来てるよ! 」
なんて言いながら少し興奮もしていて、ワケが分からなすぎて、TVに映る状況を見ながらどうしようもなく笑ってしまった自分もいた。
あとあと知ったのだが、強烈な自己嫌悪に陥いることになった、この「 笑い 」。
英語ではこれをnervous laughterというらしい。
( http://en.wikipedia.org/wiki/Nervous_laughter )
日本語での表現の仕方が思い浮かばないな。
あまりの大きな緊張状態に脳が陥ると、それを緩和するための防衛本能で笑ってしまうとのこと。
確かに何だか心がそこに無かった様な氣がした。
その後どれだけ時間が経ってからかは覚えていないが、「 自分が戻ってきた 」ことは覚えている。
一発目に思ったのは、まずは東北には知り合いがいないということ。
次に思ったのは、地震で大変なことになっているという東京の、友達や上司は大丈夫かということ。
もうこの時点では「 興奮 」ではなく、「 恐怖 」が自分を支配していた。
すぐに電話したが誰にも繋がらない。
…これもあとあと知ったのだが、緊急時の場合は電話を使ってはいけないということ。
回線が混雑して、本当に大事な救急や消防への電話が繋がらなくなるから。
でも当時のオレはそんなことさえ知らない。
親友たちは大丈夫か
上司は、会社は、
とりあえず大事な人たちが無事かどうかを知りたい
そんな焦りに似たような、恐れが自分を支配していた。
その後、着信の通知を受け取ったというメールが届き、そのやり取りで親友たちの安否を知れた時の安心感といったらなかった。
しかもそのうちの一人が送ってくれたメールは今でも強烈に覚えている。
「 とりあえずオレは大丈夫だから。
本当に大事な誰かの電話が繋がらなくなるとヤバイし、オレのことは気にしないでくれ。
頼むから電話は使うなよ。 」
これが「 たった今 」新宿で災害に直面している奴のメールかと。
結局のところ、周りよりもその場にいる人が本当は冷静なんだと理解した瞬間でもあった。
そしてその大変な状況でも「 他が為に 」の言葉を吐ける親友を心から尊敬した。
彼は今でもお笑い芸人として、東京で人々を笑顔にしている。
上司とも電話が通じ、一応直接的な関わりがある人々は全員無事だと分かった。
…そう、分かったんだけど、全然落ち着かない。
なんなんだこれは。
なんなんだ、このどうしようも無い切迫感は。
前々から約束していた地元の友達と逢う予定が11日の夜にあり、とりあえずは集まろうかということにはなったものの、消防士の友人は自宅待機命令で来れず。
集まったオレたちはオレたちで全く盛り上がらない。
全員の混乱が手に取る様に感じられ、結局すぐに解散になる。
その日、どうやって家に帰ったのか。
完全に茫然自失だった様に思う。
そこからの一週間はよく覚えていない。
大好きな、身体の一部であるはずの音楽を聴く氣にもならない日々が続き、日を重ねる毎に深刻になる被害状況を知り自分の無力さを思い知る。
なんだよ、
いつも偉そうなこと言ってる割りには、結局何もできてねーじゃん。
ダセーよ、お前。
オレ自身がオレ自身に言ってくる。
とても苦しかったし、メチャクチャ歯痒かった。
連結して起こるかもしれない他の地震や災害に怯え、子どもの頃からの夢を追いかける氣にもなれず、いつもの自分らしくなかった様に思う。
ただただその日のご飯とか、給料とか、下らない遊びについてとか、女の子のこととか。
その時の「 目の前 」のことしか考えられなかったし、それだけで精一杯だった。
ただただ絶望を感じていた。
多くの人々が似たような氣持ちだったのではないだろうか。
でもね。
ある時に氣付いたんですよ。
「 …あぁぁ、オレはまだまだだな 」って。
TVが言う明日は恐怖に包まれているし、状況は最悪。
津波は大きな傷跡を残し、二転三転して結局は原発がメルトダウンしたと。
被災地でも無いのに買い占めが起こったり、メディアじゃ報道されない略奪や犯罪の話がTwitter上では流れてくる。
確かに厳しい、前なんか向けない状況だっただろう。
でもね、そうとしか見えない状況が続いている中で氣付いたんですよ。
「 ちょっと待て。
お前自身の目の前に、今どうしようもない被害が起こってんのか? 」
ってね。
オレ自身が茫然自失に陥ろうが、たった今東北では被災をして避難をしている人たちがいる。
家族や友達を失い、家を失い、全てを失った様に見える人もいるはず。
電気が通らなかったり、トイレが使えなかったり、プライバシーも何も無いだろう。
そんな中、彼らを助けに行って奮闘している自衛隊やボランティアの人々だって沢山いる。
…そうやって人々が必死に生きようとしている時に、
一体オレは何を一人で落ち込んでんだ!
安全で快適な部屋の中にいて食うことにも困っていないのに、何が茫然自失だ!!
ふざけんじゃねぇ!!!
そう、
なんてオレはまだまだ未熟なんだ、って思い知らされたんですよ。
そんな時に、ある言葉に出逢う。
「 知恵がある奴は知恵を出そう。
力がある奴は力を出そう。
金がある奴は金を出そう。
『自分は何も出せないよ…』 っていう奴は元気出せ 」
by 松山千春
あの時から、自分の中で何かが変わったと思う。
あの時に、自分が東北のためにできることを探し始めた。
その後、震災から一年半経ってようやく初めての東北に行った。
「 AIR JAM 2012 」 という大きなパンクロック・フェスティバルに参加をするために。
そこに行き着くまでの思考と、その場で見た海岸沿いの景色や空氣感、関わることができた東北の人々の笑顔。
あの時に、覚悟を決めた。
その直後に鹿児島で師匠から一生ものの学びをもらい、
当時大きな影響を受けていた龍馬さんを彷彿とさせる「 龍 」を、桜島が噴火という形でオレの目の前で起こして応援してくれ、
その年のクリスマスにはフォーチュンじいちゃんに背中を押されて、
遂に昨年2013年には、沢山の方々のサポートの元で自分なりの「 形 」を動かし始めることができた。
これからも一生をかけて、東北と世界の復興のためにあちこちを回ろうと思う。
本当に、自分一人じゃここまで来れていない。
沢山の方に支えてもらっていなければ、今オーストラリアにいることすらできなかっただろう。
この大陸に来てからも同じ。
食事や飲み物、宿や衣服。
途中で出逢ったZimmers ApprenticesというバンドのTonyは、寄付集めがうまくいく様にと曲まで書いてくれた。
「 HOME 」
多くの人々から助けをもらい、何とか砂漠を越えて今の自分がある。
先週はやっとメルボルンにも辿り着けた。
みなさん、本当にありがとうございます。
そしてこれからもどうぞよろしくお願いします。
オレは必ずこの想いを東北に繋げていきます。
3月11日には、アデレードの南オーストラリア豪日協会での記念式典でスピーチをさせてもらった。
英語でのスピーチではあったけど、どうやら伝えることはできたと思う。
涙を流しながら話を聞いてくれた人たちも沢山いた。
アデレードを離れる日には大手テレビのインタビューを受け、
こちらの沢山の新聞でも取り上げてもらい、
NHKに当たる大きなラジオにも何度か呼んでもらった。
今日はメルボルンのラジオインタビューもあった。
ラジオの直後に、数人から東北へ寄付をしたいという連絡も頂いて本当に感謝。
これらから分かることは、たった一つ。
みんな、日本の復興を応援してくれているのだということ。
日本人もオーストラリア人も、中国人も韓国人も関係なく、世界中の人々がオレたちの国を信じて、祈ってくれているということ。
これは本当なんです。
この人間の良心は信じていいんです。
だってそうでなければ、間違いなくオレはここまで来れていないのだから。
是非、時間がある方はこの8分の動画を見て欲しい。
時間が無い方も、何とか時間を作ってでも、本当に見て欲しい動画です。
オレが今言いたいことが、ここに集約されている氣がします。
「 We will always remember you 」
これを書きながら色々とこの3年間を思い出していると、本当に沢山のことがあったなと。
オレだけじゃなく全ての人にそれぞれのストーリーがあると思う。
だからこそ、このそれぞれのストーリーを未来に繋げていかなくてはいけないと思う。
もう時代は変わった。
いや、変わらざるを得なかった。
これからは、個人のことだけを考えて生きることができる時代ではなくなると思う。
家族や仲間に大切な人たち。
バカを言い合う親友だってそうさ。
彼らと共にじゃないと前に向かうことが難しい、そんな時代が来たと思う。
大きな時代の流れに一人で立ち向かって行くのは正直難しい。
だからこそ、横の繋がりを信じて大切にしながら共に歩いて行くしかない。
そしてその横の繋がりを辿って行けば、間違いなくそれは東北に繋がっていくんです。
そう。
これからの東北の復興は他人事じゃないんだ。
オレたちの世代、この時代に生きる全員の話なんです。
少なくともオレはそう感じている。
だから、関心を持って欲しい。
1周年毎に想いを寄せることも大切だけど、今でも避難所や仮設住宅などに住んでいる人たちは27万人もいるんです。
27万人ですよ?
オレの地元の島根県の県庁所在地である松江市の人口が20万人ちょっとだけん、それよりもまだ多い。
震災孤児だって2,000人以上、行方不明者は未だに3,000人以上もいる。
これは現在進行形で、オレたちと「 一緒に 」未来へ向かっている仲間の現状なんです。
もしその中に、「 自分がいる 」と少しだけで良いので想像してみて下さい。
自分の大切な人たちがそこにいると想像してみて下さい。
オレは。
オレは、それを知った上でこのまま放っておくことはできない。
同じ人間として、絶対に。
ただしそれを調べて知ったあと、どうするかは自分次第でいいと思う。
もし、
彼らを仲間だと思い、本当は自分のことでもあるんだって思える方は、どんな形でもいいから復興のために共に動きませんか?
どんな形でも良いと思います。
自分のできる範囲で動き始めてみませんか?
かっこいいボランティアチームだってあります。
そのためにオレができる限りの協力は惜しみません。
正直、時間はどんどん少なくなってきていると思う。
なんだか間に合わなくなる様な、そんな切迫感も感じる。
何か大きなこの時代のうねりがオレたちを飲み込もうとしている氣がするし、このままではどんどん東北が置き去りにされてしまう様に感じられてならない。
でもそれは言い換えれば、「 オレたちが時代に置き去りにされる 」ということなんだ。
なんとしても、それをやらせるわけにはいかない。
そして、復興を願う多くの人々の想いを未来に繋げる。
それが今を生きるオレたちの「 使命 」だと日に日に強く感じています。
…長くなってしまった。
そりゃそうか。
これを書くのに6時間以上もかかってしまったのだから苦笑
でもこれが、3年経った今の時点での心からの想い、というか独白です。
そして、分かってもらおうとしているのではなくて、
「 できれば 」動いて欲しいと思っている、と言うことだけは強く伝えたいと思います。
もう、これは他人事じゃねーんだよ。
自分事なんだよ、って強く思う。
歴史は勝手に動いていく。
そして、明日は明日の風が吹くんだ。
よっしゃ。
それなら、その「 風 」という「 人生 」に乗って、その先へ進んでいこうじゃないか。
「 あなたが人生に意味を問うのではなく、人生があなたに意味を問うているのだ。」
ヴィクトール・E・フランクル
さぁ、あの日から続く4年目が始まった。
3月12日からのミッション。
What’s going on?
Where will we heading!?
後悔の無い誇り高き「 生き様 」をこの世に刻みつけてやろうじゃないですか。
共にこの道を行けることを、心から楽しみにしています。
以上、?最後までお付き合い下さりありがとうございます。
「 オレたちに風が吹くのであれば、生きねばならないんだぜ。 」
未来へ!!
PEACE
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・寄付
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口座名義:イワタ ショウタ
記号:15310
番号:10686291
店名:五三八(ゴサンハチ)
店番:538
口座番号:1068629
・活動サポート費
BEYOND WALKに関わる生活費や交通費に装備代など、チャレンジに関わる活動費全てに充てさせて頂きます
(今後世界各地で行う予定のチャリティー活動のための準備なども全て含みます)
お振込先:三菱東京UFJ銀行
綱島(つなしま)支店
普通 4589046
イワタショウタ
是非、皆様のご支援ご協力を宜しくお願い致します